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Still Sticky Blacktop

ヨーロッパではモータースポーツといえば紳士・貴族の高貴な趣味というイメージが定着している。一方、アメリカのレースはこのイメージとはかなり様相を異にしている。アメリカのレースはギャングや密造酒の運び屋たちの非合法なストリートレースがその起源にあり、粗野でアウトローなイメージが基本にある。NASCARにしろ、NHRAにしろアメリカのレース団体の歴史は、そうしたアウトローな世界を安全、合法的に実施できるように組織化、競技化して市民権を得ていく歴史だったといってもいい。

クルマ好き、特にアメ車好きには伝説となっている映画がある。1970年公開のアメリカ映画”TWO LANE BLACKTOP”(邦題”断絶”)。興業的には不振に終り、一部の映画好きのみに知られるカルトムービーだが、映画の冒頭はそんな非合法なストリートでのドラッグレースシーンで始まる。この冒頭シーン、むかしは日本にも地域に一か所はあった深夜の公道ゼロヨンを体験したことがある人だったら、当時の興奮がよみがえること間違いない。緊迫感というか、見る人がみたら血液が逆流するような興奮を覚えるあの独特の雰囲気が誇張なしに記録されているからだ。それもそのはず。というのも、このシーンの撮影には当時のEast LAのストリートレースを仕切っていたBig Willie率いるStreetRacersという実在のチームが参加・協力して、当時のストリートレースの様子を忠実に再現しているのだ。

で、そうはいっても1960年代70年代の話。旧き良き時代のむかし話しとノスタルジーに浸ってたら、アメリカではほとんど変わらない光景が今も懲りずに日常的に繰り広げられていました。。。醸し出す雰囲気はもちろん、レースの作法、パトカーの登場までまんま Two Lane、やはりストリートレース発祥の地、その伝統とDNAは受け継がれているということなんでしょうか。

よい子のみんなは絶対にマネしちゃだめだよ!

いいかい、絶対にだよ!

ところで 映画TWO LANEはこんな派手なオープニングとは裏腹に、その後半ではクレイジーなレースにあけくれる若者の満たされない内面を静かに描写していく。当時のニューシネマがROCKなどBGMを多用したり、衝撃的な結末を用意して主人公たちをヒロイックに演出したのとは対照的に、どこまでも続く救いのない日常とその中で繰り返される出会いと別れ、それらが登場人物たちの心情にもたらす変化を寡黙に淡々と描写していく。ニューシネマにカテゴリされながら、実はニューシネマに期待されるヒロイズムを徹底的に排除した地味い~な映画だ。そんなこともあって前評判に反して興業的には失敗に終わった映画でもある。しかし、だからこそ、派手でヤンチャで英雄的な側面だけではなく、孤独感、焦燥感や不安といった内面も冷静にとらえたロードムービーの傑作として車好き以外にも熱狂的なファンがいる映画。是非、一度は全編を鑑賞してみてほしい。